{"product_id":"エッセイ-みたらし加奈さん-2026-国際女性デーに寄せて","title":"2026 国際女性デーに寄せて。｜みたらし加奈（Kana Mitarashi）","description":"\u003ch3\u003eいま、わたしたちに何ができるのか\u003c\/h3\u003e\n\u003cp\u003e　国際女性デーが近づくと、「女性の活躍」や「エンパワーメント」という言葉を目にする機会が増える。でも現場にいると、その言葉と現実のあいだにある距離を、どうしても無視できない。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　カウンセリングに訪れる人たちは、「差別されました」とはあまり言わない。むしろ、「私が弱いから」「うまくできない自分が悪い」と語ることのほうが多い。でも、その語りの背景を丁寧に辿っていくと、見えてくるものがある。求められすぎる気配り、引き受けすぎてしまう責任、言葉にしづらい違和感。それらは個人の性格ではなく、社会のなかで静かに刷り込まれてきたジェンダー役割の影響でもある。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　フェミニズムとは本来、この「個人的に見える苦しさ」を社会の問題として捉え直すための視点だ。感じている苦しみを個人の努力や我慢で乗り越えるのではなく、「なぜそうならざるを得なかったか」を、社会に視点を置いて問い直す。その観点を持つだけで、同じ出来事でも解釈の意味が変わることがある。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　たとえば、頑張りすぎてしまうこと。人に頼れないこと。自分の感情より周囲を優先してしまうこと。それらを「性格」として片付けてしまえば終わりだけれど、本当にそうなのかと立ち止まることはできる。その人のなかで何が繰り返されてきたのか、どんな期待を背負わされてきたのか。そこに目を向けると、「これは個人の問題ではないかもしれない」という視点が立ち上がる。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　海外では、こうした視点はトラウマインフォームドケアのなかで共有されている。「あなたに何が起きたのか」という問いは、その人を責めるのではなく、背景を理解しようとする姿勢だ。この考え方は、日本でももっと広がっていいはずだ。なぜなら、苦しさの多くは個人の中に閉じ込められているけれど、その原因は必ずしも個人のなかにあるわけではないから。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　では、私たちは何ができるのか。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　ひとつは、自分のなかにある違和感を無視しないことだ。「なんとなくおかしい」と感じたことを、そのまま流さない。大げさな主張でなくてもいいから、「これは本当に“当たり前”なのか」と一度立ち止まること。その小さな問いが、思考の起点になる。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　もうひとつは、「頑張り方を疑う」ことでもある。いまの社会は、努力や適応を過剰に求める傾向がある。でも、それに応え続けることが、本当に自分を守ることにつながっているのか。無理をしている自分に気づいたとき、「もう少し別のやり方があっていいのではないか」と考える余地を持つこと。その選択が広がったとき、構造的な役割を手放すきっかけになる。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　そして、ケアを軽く扱わないこと。ケアは後回しにされがちだけれど、本来は生きていくための土台に近い。「カウンセリングが必要だ」と話す人は増えたが、実態として、カウンセリングを受けたことがある人は少ない。専門家でなかったとしても誰かに話すこと、理解されること、自分の状態に気づくこと。それらは特別なことではなく、必要なプロセスである。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　フェミニズムとは、「これまで当たり前だと押し付けられてきたものを問い直す」という営みそのものだと思う。その問いは、静かでもいいし、小さくてもいい。ただ、それを持ち続けることが、結果的に社会の形を変えていく。たとえアクションに移さなかったとしても、人びとの意識が変容していくだけで社会に変化をもたらす。私たち心理職は、その「集合的無意識」と呼ばれるものを信じているからこそ、構造的格差にも応用できると実感している。\u003c\/p\u003e\n\u003cp\u003e　国際女性デーという機会を、整えられた言葉だけで終わらせないこと。その日に感じた違和感や引っかかりを、自分のなかに残しておくこと。それだけでも、十分に意味のある一歩になるのかもしれない。\u003c\/p\u003e","brand":"koko-no-me","offers":[{"title":"Default Title","offer_id":53823086788971,"sku":null,"price":0.0,"currency_code":"JPY","in_stock":true}],"thumbnail_url":"\/\/cdn.shopify.com\/s\/files\/1\/0978\/3469\/7067\/files\/261003_essay_kana-sama.png?v=1791005344","url":"https:\/\/kokonome.com\/products\/%e3%82%a8%e3%83%83%e3%82%bb%e3%82%a4-%e3%81%bf%e3%81%9f%e3%82%89%e3%81%97%e5%8a%a0%e5%a5%88%e3%81%95%e3%82%93-2026-%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%83%87%e3%83%bc%e3%81%ab%e5%af%84%e3%81%9b%e3%81%a6","provider":"koko-no-me","version":"1.0","type":"link"}